草地更新作業の現場で感じたこと

昨年度から始まったJA草地植生改善事業(草地更新事業)の表層撹拌による更新作業が最盛期を迎えています。今年は、8月上旬の天候がやや不安定で、除草や表層撹拌・鎮圧作業等が思うように進まない状況が続き不安な日々を過ごしておりましたが、15日以降比較的天候が安定したおかげで、受託作業をやりきる目途が何とか立ってきました。

ここでは、JA草地更新事業の作業現場や更新圃場等で感じたことを書きたいと思います。
【秋起こしの圃場(除草二回処理)】
一つめは、H23年10月に耕起前除草処理を施した上で、サブソイラーで心土破砕し、アッパーローターで表層撹拌を行い、H24年5月にローラーで鎮圧し、広葉雑草等が20冂になるのを待って6月25日過ぎに播種前除草処理の上、施肥播種(TY・WC・PR)、鎮圧した圃場の約1カ月後の様子(写真 砲任后
全体としてムラなく生育しており、また雑草が少なく現段階では比較的良好な状態と思われます。もっとも、広葉雑草の生長に時間がかかり、6月末の除草・播種となるため、面積に余裕がない方には、勧めにくいという課題があります。雑草の生育が遅い原因として、春に鎮圧ローラーしかかけていないことが考えられるため(完全更新の圃場ではディスクをかけたりしていることから)、春に浅くアッパーをかけること等を検討しながら、より効果的な秋起こしについても試行錯誤し、モデル的な手法を模索していくつもりです。

【耕起前除草処理後に残ったタンポポほか】
次に、耕起前除草処理後2週間程経って圃場を見に行き、地下茎イネ科雑草は枯れているのに、タンポポが残っている圃場を何カ所か見かけました(写真◆Ν)。
散布ムラがあるわけではないのに、タンポポが残っている。他の草の草丈があり過ぎて、タンポポに薬液が届かなかったのか、或いはタンポポはグリホサート系の薬剤が効きにくいのか、今の段階でははっきりわかりませんが、原因を探っていきたいと思います。
その他、通常の100倍濃度で枯れていない草として圃場で見られるのは、フキ、ササ、アザミの他、湿地がかった圃場にある茎の断面が△のカヤツリグサ科の草のほか、40儖幣紊棒鍵蕕靴織蝓璽疋ナリーグラスなどがあげられます。これらについては、濃度を調整したり、草丈が30冂度の段階で散布するなどの工夫が必要のように思います。

最後になりますが、昨年10月26日に開催して170名程の方に参加頂いた、『草地植生改善フェスティバル』を、もうひと工夫加えた上で、今年も10月19日(金)に開催する方向で進めておりますので、改めてFAXや文書等でご案内致しますが、組合員・関係機関の皆さま、ぜひご参加下さい。
T.S
―起こし圃場(2回除草処理)耕起前除草処理後のタンポポ
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草地更新時の除草処理

 JA事業においての草地更新時の除草処理方法につきまして、PDFファイルにてご紹介いたしますので、ご確認ください。また、草地状況によって処理法が異なる場合もございますので、各支所植生改善担当職員にご相談ください。草地更新時の除草処理.pdf
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平成24年度 営農センター牧草展示圃場生育状況(H22.9.6播種)

 今年度の営農センター横のイネ科牧草展示圃場の生育状況です(8月2日時点)。
 今年は雪解けが遅く、ペレニアルライグラスを初めとして冬枯れが多くみられました。

【1番草(7月9日刈取)】
生育前半にあたる5月は、日照時間は138.9時間(平年比80%)と短めでしたが、降水量140mm(平年比130%)、平均気温8.7℃(平年比+0.3℃)とやや高めで推移し、5月終了時点での生育はほぼ平年並みでした。
生育後半にあたる6月〜7月上旬は、降水量106.0mm(平年比74%)、平均気温12.2℃(平年比−0.4℃)とやや低めでしたが、日照時間は168.6時間(平年比98%)と平年並みで推移し、最終的な生育はほぼ平年並みでした。
 チモシー(TY)の草丈は6月19日時点で、オーロラ79cm、ホライズン78cm、ノサップ76cm、ホクエイ、アッケシ73cm、キリタップ69cm、シリウス68cm、ヘリオス、アルテミス66cm、なつさかり64cm、ホクシュウ63cmでした。出穂時期はほぼ平年並みでした。
 オーチャードグラス(OG)はバッカス104cm、はるねみどり92cm、パイカル90cm、ハルジマン89cmでした。
 ペレニアルライグラス(PR)はフレンド39cm、ポコロ32cm、チニタ31cmでした。ペレニアルライグラスには雪腐大粒菌核病による冬枯れが多くみられ、生育は不良となりました。
メドウフェスク(MF)はファースト83cm、プラデール71cmでした。

【2番草(現在生育中)】
7月中旬〜下旬の降水量は61.0mm(平年比65%)と少なめでしたが、平均気温16.9℃(平年比+0.6℃)、日照時間78.8時間(平年比111%)と高めで推移しており、生育は順調です。
 チモシーの草丈は8月2日時点でホライズン63cm、シリウス60cm、ホクエイ57cm、ノサップ、キリタップ52cm、アルテミス、アッケシ51cm、オーロラ、なつさかり、ヘリオス49cm、ホクシュウ47cmとなっています。
 オーチャードグラスはハルジマン71cm、パイカル70cm、はるねみどり68cm、バッカス62cmとなっています。
 ペレニアルライグラスはチニタ44cm、ポコロ40cm、フレンド39cmとなっています。
メドウフェスクはプラデール56cm、ファースト48cmとなっています。


次に、品種・刈取り時刻別のイネ科牧草糖度測定結果を示します(8月3日測定)。
測定には屈折糖度計を使用し、10:00〜11:00と16:00〜17:00の2回行いました。

10:00〜11:00測定で最も高かったのはキリタップ(チモシー)で3.6%、次いでホクエイ(チモシー)2.9%、ホクシュウ(チモシー)2.5%でした。
16:00〜17:00測定で最も高かったのはキリタップ(チモシー)で3.8%、次いでオーロラ(チモシー)3.7%、ホクエイ(チモシー)3.3%でした。
各草種の平均糖度(10:00〜11:00/16:00〜17:00)は、チモシー2.1%/2.6%、オーチャードグラス1.3%/1.8%、ペレニアルライグラス2.0%/2.3%、メドウフェスク1.1%/1.4%でした。

刈取り時刻については、ホクシュウとなつさかりを除く18品種が10:00〜11:00よりも16:00〜17:00に刈取ると糖度が上昇しました(全品種平均:1.8%/2.3%)。これは、日中に光合成により作られた糖が夜間呼吸によって消費されるためと考えられます。

※今回使用した糖度計の測定値は、サンプル中に含まれる可溶性固形分のパーセント濃度を示します。可溶性固形分とは糖を初めとして塩類、タンパク質、酸など水に溶ける物質すべてであり、測定値はそれらの合算値となります。


職員A・M
営農センター試験圃場 生育状況2012.pdf
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