平成24年度 営農センター牧草展示圃場生育状況(H22.9.6播種)

 今年度の営農センター横のイネ科牧草展示圃場の生育状況です(8月2日時点)。
 今年は雪解けが遅く、ペレニアルライグラスを初めとして冬枯れが多くみられました。

【1番草(7月9日刈取)】
生育前半にあたる5月は、日照時間は138.9時間(平年比80%)と短めでしたが、降水量140mm(平年比130%)、平均気温8.7℃(平年比+0.3℃)とやや高めで推移し、5月終了時点での生育はほぼ平年並みでした。
生育後半にあたる6月〜7月上旬は、降水量106.0mm(平年比74%)、平均気温12.2℃(平年比−0.4℃)とやや低めでしたが、日照時間は168.6時間(平年比98%)と平年並みで推移し、最終的な生育はほぼ平年並みでした。
 チモシー(TY)の草丈は6月19日時点で、オーロラ79cm、ホライズン78cm、ノサップ76cm、ホクエイ、アッケシ73cm、キリタップ69cm、シリウス68cm、ヘリオス、アルテミス66cm、なつさかり64cm、ホクシュウ63cmでした。出穂時期はほぼ平年並みでした。
 オーチャードグラス(OG)はバッカス104cm、はるねみどり92cm、パイカル90cm、ハルジマン89cmでした。
 ペレニアルライグラス(PR)はフレンド39cm、ポコロ32cm、チニタ31cmでした。ペレニアルライグラスには雪腐大粒菌核病による冬枯れが多くみられ、生育は不良となりました。
メドウフェスク(MF)はファースト83cm、プラデール71cmでした。

【2番草(現在生育中)】
7月中旬〜下旬の降水量は61.0mm(平年比65%)と少なめでしたが、平均気温16.9℃(平年比+0.6℃)、日照時間78.8時間(平年比111%)と高めで推移しており、生育は順調です。
 チモシーの草丈は8月2日時点でホライズン63cm、シリウス60cm、ホクエイ57cm、ノサップ、キリタップ52cm、アルテミス、アッケシ51cm、オーロラ、なつさかり、ヘリオス49cm、ホクシュウ47cmとなっています。
 オーチャードグラスはハルジマン71cm、パイカル70cm、はるねみどり68cm、バッカス62cmとなっています。
 ペレニアルライグラスはチニタ44cm、ポコロ40cm、フレンド39cmとなっています。
メドウフェスクはプラデール56cm、ファースト48cmとなっています。


次に、品種・刈取り時刻別のイネ科牧草糖度測定結果を示します(8月3日測定)。
測定には屈折糖度計を使用し、10:00〜11:00と16:00〜17:00の2回行いました。

10:00〜11:00測定で最も高かったのはキリタップ(チモシー)で3.6%、次いでホクエイ(チモシー)2.9%、ホクシュウ(チモシー)2.5%でした。
16:00〜17:00測定で最も高かったのはキリタップ(チモシー)で3.8%、次いでオーロラ(チモシー)3.7%、ホクエイ(チモシー)3.3%でした。
各草種の平均糖度(10:00〜11:00/16:00〜17:00)は、チモシー2.1%/2.6%、オーチャードグラス1.3%/1.8%、ペレニアルライグラス2.0%/2.3%、メドウフェスク1.1%/1.4%でした。

刈取り時刻については、ホクシュウとなつさかりを除く18品種が10:00〜11:00よりも16:00〜17:00に刈取ると糖度が上昇しました(全品種平均:1.8%/2.3%)。これは、日中に光合成により作られた糖が夜間呼吸によって消費されるためと考えられます。

※今回使用した糖度計の測定値は、サンプル中に含まれる可溶性固形分のパーセント濃度を示します。可溶性固形分とは糖を初めとして塩類、タンパク質、酸など水に溶ける物質すべてであり、測定値はそれらの合算値となります。


職員A・M
営農センター試験圃場 生育状況2012.pdf
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サイレージ品質向上プロジェクトスタート

 今年で4年目となる「サイレージ品質向上プロジェクト」が一番草収穫時期に合わせ6月25日から本格的にスタートしました。
 例年、100戸程の農家の作業状況を確認しており、その際、改善してほしいことについては都度伝えてきたこともあり、当初から見ると刈り高や鎮圧時間の確保等については随分と改善されてきており、また、高水分時にはギ酸を添加する農家も増えてきたたように思います。
 今年の巡回対象は、昨年の粗飼料分析結果で特にアンモニア態窒素の数値が高く、発酵品質に課題のあったところを中心に確認することとしました。7月1日までの1週間で、約50戸の農家の作業現場に立ち会いました。
 今年の作況状況は平年並みとのことですが、6月上旬からの天気は連日曇りで低温ということもあり、経年草地においては全般的に牧草収量は少ないという印象です。
 しかし、サイレージの品質については今までのところ、好天にも恵まれていて前日に刈り、予乾に努めていることもあり水分で80%を超える原料草を詰め込んでいる農家は数えるほどしかなく、今までのところ嗜好性の高いサイレージが期待できるのではと思っています。
 7月に入ってからは不安定な天候が続いており、収穫作業も遅れ気味となっておりますがコントラ待ちの農家は別にしても6月末では全体の半分は終了しているようです。
 昨年から草地植生改善に取り組んでおりますが圃場に入り牧草を見ると、シバムギやリードカナリーグラスの割合の高い草地を目にすることも多く、良質サイレージを作る条件の一つに原料草の問題もあります。
サイレージ作りの一連の作業はかなり改善が進んできており、次は、その原材 料となる牧草を栄養価の高い、嗜好性に富んだ草種に変えていくための「土・草づくり」が課題であると感じているところです。

T・K
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農作業機事故に注意!

 
 6月下旬になり牧草収穫作業が始まっている事と思います。忙しくなればなるほど、注意したいのが農作業事故です。道内における農作業事故(負傷件数)は、農業人口が減少しているにもかかわらず、平成22年度実績では2,598件と増加傾向にあります。(死亡事故については17件)
負傷率で特に目を見張る事は、畜舎での発生が32.1%と高くなっています。
 これからの時期は普段の飼養管理に加え、牧草収穫作業の繁忙期となり農作業事故が起こりやすい状況になっております。牧草収穫作業は、天候によっては「やきもき」されるかとおもいますが、農作業事故の状況によっては、今後の営農活動に支障をきたす事があります。MMH運動はもちろん、家族内の言葉の連携や体調管理・作業機の不具合等を確認し、農作業事故減少に努めて頂きたいと思います。【Y.S】
 
◎MMH運動とは
 ◆M(マナー)・・トラクター等運転は、交通ルールと運転マナーの遵守!
 ◆M(マーク)・・点検・整備励行と低速車マーク・反射テープ装着!
 ◆H(保 険)・・農業労災保険と障害共済・自動車共済等の任意加入!
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